第56回(平成18年)受賞者

高校生の部
天位
道端に見向きもされぬ一円玉陽の光受け微笑んでいる
延岡高等学校一年 金崎寿敏
地位
先生の熱意のこもった黒板の文字はとっても消えにくいです
妻高等学校一年 長友優
「久しぶり」声が聞こえてふり返るそら耳でした秋の夕暮れ
宮崎北高等学校二年 川崎佑華
人位
死ぬまでに人生って何かわかるのか空欄だらけの答案見ている
日南工業高等学校二年 小野友也
たくさんの恋の向こうに本物の愛があるんだホントなのかな
高千穂高等学校二年 工藤ちひろ
いつからかこんな私になったのは前は上手に笑えてたのに
富島高等学校三年 麻田知夏
一般の部
天位
笑の字の竹かんむりの意味おもふ風に撓える竹仰ぎつつ
馬場つる枝
地位
星砂のやうなる銀のマニキュアを塗りて一人の海が広がる
上原妙子
嫋やかな足技使い蹴り上げしボールのような夏の満月
柊俊一郎
人位
クリムトの絵を切り分けて組み直す自在な愛のジグソーパズルに
田尾英一
妻といふ第一選者のわれに居てほやほやの歌評してくるる
永嶺元久
お互いの聞える耳に顔よせて友との会話はいつも定位置
菊池敏子