選考委員  栗木 京子(くりき きょうこ)

■プロフィール(2010時)

昭和29年、愛知県生まれ。

京都大学理学部生物物理学科卒業。
大学在学中に短歌創作を始め、角川短歌賞次席に入選。

歌誌「塔」選者。読売歌壇選者。

第8回若山牧水賞のほか、山本健吉文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞、読売文学賞、

迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞、前川佐美雄賞、紫綬褒章等を受賞。
若山牧水賞選考委員を第22回から務める。
著作は歌集・評論集ほか多数。

 

  つきつめてなにが悲しといふならず身のめぐりみなわれにふるるな(牧水)
 具体的なことは何も言っていない。だからこそどうしようもないさみしさ、悲しさというふうなものがあふれてきて、牧水というのはやっぱり端的に言うとこういう人だったのだろうと思うのです。(中略)存在自体の悲しみというのですかね。(中略)そういうものを終生抱えながら歌を歌い続け、お酒を飲み続け、旅をし続けた人なのでないかなあと思うのです。これは単なる弱いとか、繊細だとかいうことではないと思います。
※講演「牧水のうしろ姿」より